知っておきたい散歩のマナー

犬の飼い主には周囲の人達に配慮し、迷惑をかけないように守るべきマナーがあります。マナーを守らないと、周りの人に不快な思いや怖い思いをさせたり、犬を飼う印象を悪くしてしまいます。

特に注意したいのが、散歩のときです。排泄物の放置はもちろん大迷惑ですし、外では犬が好きな人、嫌いな人、怖い人など様々な人に出会いますから、様々な配慮が必要です。

①必ずリードをつける

散歩のときは必ず犬にリードをつけ、リードは短くしっかりと持って、犬は飼い主の近くを歩かせてください。

長いリードで犬を自由に右に左に歩かせている飼い主がいますが、人の通行を邪魔するだけでなく、リードが走行中の自転車に引っかかる、犬自身が自転車や車に轢かれてしまう、犬が人に飛びつくなど、予期せぬ事故につながり、人にも犬にも大変危険です。万一、落ちている危ないものを犬が口にしてしまったときも制御できません。

犬を放して(リードを付けないで)散歩している飼い主もいますが、これはマナー違反という以前に、放し飼い禁止の条例違反になります。広い河川敷や公園でも、ドッグラン以外では犬を放すことはNGです。「うちの犬は大丈夫だから」とリードをつけないで散歩したり公共の場所で放す人がいますが、その犬を知らない方には分かりませんし、誰にとっても迷惑でしかありません。交通事故や迷子の危険、拾い食いを制止できないなど、犬の安全にも関わります。

犬にはリードをつけて、人と犬の安全を守りましょう。

②フンは必ず持ち帰る

犬の飼い主による一番の迷惑行為はフンの放置かもしれません。犬嫌いの人にはもちろん、犬好きにとっても見て気分のいいものではなく、大勢がフン害の被害者です。

道路や公園などの公共の場所にフンを放置することは絶対にしないでください。よその家の庭、畑など他人の所有地でももちろんです。犬のフンは肥料にはなりません。畑や土の中に埋めるような行為も迷惑です。

できれば、自宅で排泄を済ませてから散歩に出るようにしましょう。それが無理でも、散歩にはフン処理道具を必ず持参し、排泄したら、必ずすぐに片付けて持ち帰ってください。

犬の行動をよく観察していると、排泄の前に必ず決まったサインがあることに気づくはずです。サインに気付いたら、犬がかまえたお尻の下に新聞紙などを敷いて、フンが地面に落下する前に処理用品で受けると、その後の処理が楽です。ビニール袋を裏返して手にはめて拾っても、手を汚さずに処理することができます。

道路や電柱、塀など外でオシッコしたときは水で流すようにしましょう。散歩中にあちこちにマーキングしないように、飼い主が犬の行動をきちんと制御してください。オスの場合は、マナーベルトを付けるのもいいでしょう。

③人とすれ違う時はリードを短く持つ

世の中には犬好きの人ばかりではなく、犬が嫌いな人、犬が怖い人など様々な人がいます。犬が近づいてきたら、びっくりして転んだり思わぬ行動に出る人もいるかもしれません。相手のためにも、犬の安全のためにも、人とすれ違うときにはリードを短く持って犬を自分の近くに寄せましょう。

④他の犬にむやみに近づけない

散歩で他の犬とすれ違うときも気を配ってください。相手の犬が急に飛びかかってきたり、吠えかかってきたりするかもしれません。何かあっても大丈夫なように距離をとり、犬を自分の近くに寄せてすれ違うようにしましょう。狭い道で距離をとってすれ違うのが無理そうなら、角を曲がったり、引き返してもいいでしょう。

犬同士を会わせるときは、相手の飼い主に必ず「ワンちゃんと挨拶させてもいいですか?」と声をかけてOKをもらってからにするのがマナーです。温和そうに見えても他の犬が苦手だったり仲良くできない犬もいますし、犬同士の相性もあります。相手の飼い主がいいと言っても、相手の犬の様子や自分の犬の様子を見て、トラブルになりそうなら早めにリードを引いて距離をとるようにしましょう。

「うちの犬は大丈夫だから」と、相手におかまいなしに一人よがりで犬を近づけるのはとんでもない迷惑行為です。

⑤自転車での引き運動はNG

飼い主が自転車に乗って犬を散歩させるのはマナー違反で大変危険です。片手にリードを持って片手運転することは道路交通法違反にもなりますし、犬が引きずられてケガを負えば動物愛護管理法違反に問われるかもしれない行為です。本人にも、犬にも、周りの人にも大変危険で迷惑ですから、絶対にしないでください。

散歩は単なる運動ではなく、飼い主と一緒に歩いたり、人に会ったり、様々な体験をする、犬と飼い主の大切なコミュニケーションの時間です。マナーを守って、散歩を楽しんでください。

 

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執筆者:事務局