破壊行動【「犬が破壊する」行動に関して】

犬が家具の足をかじってしまう、留守中に家中のクッションを壊した、床をはがした、ドアをひっかいた、ケージに入れておいたらケージを破壊して脱走した、など犬が自宅を破壊してしまうような困ったことをご経験されている方は多いと思います。

犬はなぜ人の家を破壊する必要があるのか、なぜいろいろなものをかじって破壊してしまうのか考えていきたいと思います。

遊びや興味でかじる

最初に考えられることは、遊び行動として、興味があるから口でいじってみる、という行動を考えなくてはいけません。特に若い犬は遊びたいさかりですし、暇になれば、いろいろなものに興味を持つでしょうし、その際に我々人間は手で興味尾あるものを確認しに行きますが、犬は口にくわえてみる、かじってみる、という行動をします。かじって遊べるもの、暇つぶしできるものがなければ、近場にある家具や壁、床をかじることになります。家具、床、壁は人の常識としてかじってはいけないものですが、犬にはその常識はないので、それをかじってはだめだという認識はないのです。

不安やパニックでかじる

もし、お留守番をさせると家の中のものをかじったり、掘ったり、引きちぎったりしているのであれば、これは不安から出るパニックしている行動の可能性もあります。この場合、分離不安と言って、愛するご家族が家から出かけて不在にすることに対して強い不安や恐怖を感じてしまう病気です。治療はもちろん可能で、動物病院にご相談いただく事になります。

お留守番中の破壊行動でも、いたずら行動として破壊している場合もあります。「鬼の居ぬ間に。。。」と考えているわけではないですが、遊びを中断されないので思う存分破壊して楽しむ場合もあります。

どうすればよいのでしょうか?

以上のような問題に対してどうすればよいのでしょうか?

家具、机の脚、壁などをかむ場合(特に若い犬、子犬)

好奇心旺盛な動物である犬は、暇で何もすることがないと、興味の赴くままいろいろな探索をしますが、その時に家具の脚、壁、扉などが気になると、壁や家具に咬みついてかじったり、壁紙をはがしたりします。家財道具を守るために見ていないときはケージやサークルに入れておくのが安全です。またサークルやケージの中で退屈するといたずらをしてしまうかもしれないので、「咬むおもちゃ」や時間をかけておやつを取り出す「知育トイ」というおもちゃにフードを入れて一人遊びをさせます。「知育トイ」に関しては「知育トイ」を紹介するページに記載されています。

目を離した際に、あるいは留守にすると、何かを壊していたり、食べていたりする場合、もし物理的に離れることに対してあまり不安な行動を見せていない場合、暇だったり、刺激が足りなくて遊びやご家族の関心を引きたくて家のものを壊したりしている可能性もあります。そんな行動である場合は、出かけたり、ひとりにして置く際には、上記で紹介した「知育トイ」を与えておき、退屈な時間がないようにします。人の子どもに対して「お母さんはいま忙しいから、ひとりでディズニーのアニメを見て待っていてね」と伝えて子どもの好きなビデオを見せておいて退屈させずに待たせることと一緒です。

留守中に家の中のものを破壊している場合

お出かけの準備を始めるとそわそわしだして、家族の後をくっついて歩くようになり、お出かけするときにはおやつをあげてもおもちゃをあげてもそっぽを向いて食べもせず、戻ってきても挙げたおやつがそのまま置いてあるような状態で、おうちが破壊されている場合、留守番に対して強度の不安を感じる「分離不安」かもしれません。

愛する家族が出かけてしまうと強度の不安を感じるため、その不安な気持ちを落ち着けようと、あちこちを壊したり、かじったりする行動をしてしまいます。我々人間が子どものころ、ストレスがあったり不安になったりすると癇癪を起して大きな声を出したり、ちょっと暴れて物を壊すような行動があるのと似た感覚です。

分離不安は治療が可能です。動物病院にご相談ください。

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執筆者:事務局