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猫は完全に室内で飼育することが原則になっています。猫を自由気ままに出かけさせてしまうと、よそのうちに粗相をして迷惑をかけたり、ほかの猫とケンカしてケガを負ったり、ほかの猫から病気をもらってきたり、交通事故にあったり(あるいは車の前に飛び出して運転している人が危険な目にあったり)、知らぬ間に子猫が生まれたりするからです。責任ある飼育方法として猫は屋内で飼うことが推奨されています。
室内飼育に必要なもの
家の中で猫が幸せに暮らせるようにどこを整えたらいいのか考えましょう。
寝床
猫は柔らかい素材の上で寝るのが好きです。猫用のベッド、ふわふわの場所に猫が寝られるようにしてあげてください。
2頭以上猫のいるおうちでは、それぞれの猫がふわふわのベッドで寝られるようにベッドの設置数や場所を工夫しましょう。
仲良しの猫同士なら同じベッドで一緒にくっついて寝られますが、相性の悪い猫もいます。その場合は、自分とは気の合わない猫から物理的に離れて休めるようにベッドはあちこちに用意したほうがいいでしょう。
トイレ
猫は大きなトイレが好きです。また、2頭以上猫のいるご家庭では、トイレはあちこちに複数個あったほうがいいでしょう。猫の好むトイレを複数用意してください。猫のトイレについてくわしくは「猫の暮らしのコツ」の「トイレの選び方」を参考にしてください。
登って休める環境
猫は床よりも高いところで休むのが好きです。床にいるよりも安全だからという場合もありますし、お部屋全体が見渡せたり、お外の様子が見られるので何か異変があったらすぐに気が付くからかもしれません。
キャットタワー、キャットウォーク、猫用のハンモックなど猫が高い場所で休めるような道具はいろいろありますが、準備ができない場合は、本棚、出窓、家具の上など、家財道具の上に猫の休める場所を作っても良いでしょう。
高齢の猫の場合、関節炎で足が痛む事が多いので、登るのがつらくなる場合があります。段差を少なくして登りやすい猫用の高台を用意するとよいでしょう。
隠れられる場所
猫は何か怖いことがあったり、一人静かにいたいときは隠れます。猫が安心して隠れられる場所も作っておくといいでしょう。
段ボールの箱を部屋の隅に置いておいたり、猫を入れて持ち運ぶためのキャリーを置いてそこに入って隠れられるようにしてもよいでしょう。ほかにも、収納スペースに隙間を開けておいたり、潜り込めるような猫ベッドを置くのもいいでしょう。
猫が普段何かあったときに隠れる場所はよく確認しておいてください。地震などの災害時に隠れると危険が及ぶ可能性がある場所が、普段の隠れ場所になっている場合は、その場所には入れないようにするか、そこに隠れても安全なように対策を取っておきましょう。
爪とぎ
爪とぎをおいておくことで、猫が家具で爪をとぐことを予防できます。爪とぎは猫の好む素材を選んであげてください。どのような素材のものを好んで使っているかを見るとよいでしょう。また猫が爪をとぐ場所はコミュニケーションの場でもあるので、猫がよく爪をとぐ場所に爪とぎを設置してください。
猫の爪とぎについてくわしくは「猫の暮らしのコツ」の「爪とぎの選び方」を参考にしてください。
水飲み場
高齢になると腎臓病になる猫が多いのですが、腎臓病の予防や治療に水分を十分に取らせることは大切です。そのため、水は常に飲みたいときに飲めるように環境を整えます。
水飲みのお皿は家のあちこちに設置しましょう。また、よく休んでいるような場所の近くにも水飲みを設置し、休んでいてもすぐに水が飲めるようにしておきます。
猫によってはお皿に水が入った状態ではなく、流れのある水を好む場合もあります。ファウンテンタイプの水飲み器もあるので、用意してもよいでしょう。
食事の場所
猫が落ち着いてゆっくり食べられる場所を食事の場所にしましょう。トイレの近くや人がよく通るような落ち着かない場所は好みません。
特に2頭以上の猫を飼っている場合、それぞれの猫の食事事情を理解しましょう。一緒に隣り合って食べたくない場合は多くあります。それぞれがゆっくり食べられるように食事スペースは分けてあげたほうが良いでしょう。
また、食事を一気に与えられた分だけ全部食べてしまう猫と、少しずつ食べる猫がいます。猫の特性に合わせてごはんの出し方や置き場所を考えたほうが良いので、いろいろ工夫してみてください。
例えば、筆者の家庭では、高齢のゆっくり食べる猫と、一気に食べきる若い猫がいます。一緒に食事をさせると高齢猫は食べられなくなってしまいます。対策として、人の食事の準備や片付けの際には筆者が台所に高齢猫と一緒に閉じこもって、猫の食事を見守っていました。台所仕事をしないときには台所から出る際に高齢猫を台所から解放し、食事皿を一旦片付け、若い猫に取られないようにします。次に一緒に台所に行く時間まで高齢猫には食事は待ってもらいました。また夜間や出かけるときは2頭の猫を必要に応じて隔離し、その時に高齢の子がゆっくり食べられるようにする工夫もしました。
ご家庭により生活スタイルは異なりますので、自分と猫に合った方法を工夫してみてください。
猫との遊び
人がたくさん猫と遊んであげて、ストレスを一緒に発散してください。一緒に遊べないときは、「知育トイ」を使って一人遊びをさせておきましょう。外にいて狩りのゲームをするように室内でも狩りのゲームをおもちゃで堪能してもらいましょう。