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自分の猫が迷子になるなんて、考えたことがない飼い主さんが多いかもしれません。
特に、完全室内飼いの猫だと、外に出るなんて想像もしていないかもしれません。
しかし、インターネットやSNSでは、迷子になった猫の飼い主さんからの投稿が多く見られます。猫の迷子の多くは、飼い主さんは猫が迷子になると思っていなかった状況で起きています。
思わぬ拍子にパニックになった猫が家を飛び出してしまったり、突然の災害で家が壊れて猫が外に出てしまうかもしれません。
また、避妊去勢をしていない場合は、自分から恋の相手を求める旅に出てしまいます。
猫を迷子にさせないためには、迷子になるような状況を作らないことが大切です。
迷子にさせないために
①避妊去勢をする
避妊去勢手術をしていない大人の猫が、恋の季節に恋の相手を求めるのは、自然な行動です。外に出られる飼い方をされている猫はもちろん、完全室内飼いの猫でも、避妊去勢手術をしていない場合は、恋の相手を求めて外に出て行きたがるようになります。
外に出ると、恋の相手を求めて遠くに行ってしまったり、ライバルに出会ってケンカになり恐怖のために動けなくなるなど、様々な事態が起こります。病気にかかったり、交通事故に遭って帰ってこられなくなることも少なくありません。メスの場合は、帰ってきたらまず妊娠していると思って間違いありません。
猫を迷子にさせないためには、避妊去勢手術をすることが必要になってきます。
②完全室内飼いにする
外に出られるような飼い方は、猫の安全が守れないばかりか、いついなくなってもおかしくない飼い方といえます。毎日帰ってきていても、突然帰ってこなくなるかもしれません。それが、事故に遭って帰ってこられなくなったのか、いじめられて戻ってこられないのか、誰かに連れ去られたのか、一切わかりません。
猫は完全室内飼いにしましょう。食べもの、寝床、トイレなど、猫に必要な環境を整えれば、室内だけでも幸せに暮らすことができます。
③外に出ていかないよう気をつける
玄関扉や窓の開閉のときに、猫がするりと外に出てしまうことがあります。扉や窓の開閉のときは、猫が出ないように気をつけましょう。
窓には網戸をつけ、開けるときは猫に気を付けるようにします。猫が自分で窓や網戸を開けてしまうような場合は、小さな子どもが窓を開けないようにするストッパーが市販されていますので、それを取り付けるといいでしょう。
2階以上の部屋でベランダがある場合は、猫をベランダに出さないほうがいいでしょう。1階と違って直接外とつながっていないから大丈夫、外の空気も吸わせてあげたいと思うかもしれませんが、ベランダの手すりを歩いていた猫が、風にあおられて転落する事故も起きています。もしベランダに出られるようにするときは、ベランダ全体を覆うように網を張るなどの対策をとっておきましょう。
身元表示をする
上記の対策を取っていても、何かの拍子に猫がパニックになって飛び出してしまったり、突然の災害で家が壊れて猫が外に出てしまうかもしれません。
迷子になった時に備えて、猫が保護されたときに飼い主がわかるよう、身元を表示するものを猫に付けておきましょう。
猫は外で飼うことが禁止されているわけではないので、普段は猫がひとりで外を歩いていても、気を止める人は多くありません。迷子札が活躍するのは、猫が病気やケガで動けなくなって保護されたときや、災害のときなど、緊急事態になったときです。
1 マイクロチップ
マイクロチップは、動物の身体の中に装着するため取れたり紛失するリスクが低く、安全で確実な個体識別の方法として、希少動物などをはじめ、世界中で広く使用されています。
マイクロチップは外側が生体適合ガラスで作られた直径2㎜、長さ8~12㎜程度の円筒形で、内部はⅠC、コンデンサ、電極コイルが入っています。それぞれのチップには、世界で唯一の15桁の数字が記録されており、書き換えることはできません。数字は専用のリーダー(読取器)で読み取ります。
マイクロチップに記録されているのは15桁の数字だけなので、データベースに飼い主の情報を登録する必要があります。
データベースは民間のものもありますが、2022年6月からペットショップやブリーダーなどで販売される犬猫へのマイクロチップの装着と指定登録機関への登録が義務になりました。2022年6月以降にペットショップなどから購入した犬猫の場合は、すでに装着されていて、購入時に一緒に登録証明書を渡されるので、データベースの飼い主情報の変更登録を必ず行いましょう。
すでに飼われている犬猫については、マイクロチップ装着は義務ではありませんが、装着が推奨されています。新たにマイクロチップを入れる場合は、動物病院で獣医師が行います。マイクロチップを装着したら、指定登録機関への登録は義務になります。
マイクロチップの読取器は動物病院や保健所、動物愛護管理センター、警察署などにあります。指定登録機関に登録された飼い主情報は、役所しか知ることができません。
2 首輪と迷子札
首輪と迷子札の利点は、目で見てわかるので、誰にでも気づいてもらえやすいことです。さまざまなタイプが市販されていますが、飼い主さんの電話番号などの連絡先が記入しやすく、気づいてもらいやすいものを選びましょう。ただ、個人情報を記入することになりますので、その点の注意が必要になります。
猫の場合は狭い場所通るときに首輪が引っかかってしまうおそれがあります。引っかかって力が加わると外れる首輪も市販されていますので、外に出る猫の場合はそれを使うのもいいでしょう。ただし、引っかかって外れた場合は身元を示すものはなくなってしまうのでマイクロチップを入れておくなど、外れない方法を併用することが必要です。
3 飼い主と猫の写真
飼い主と一緒に写った猫の写真を、スマホなどに保存しておきましょう。万一迷子になったときに、ポスターやSNSの情報発信に使えますし、飼い主である証明にもなります。
迷子にさせないための環境づくりをしておくことが一番大切ですが、突然の事故、災害など、不測の事態はいつ襲ってくるかわかりません。迷子になった時のことも考えて、避妊去勢手術やマイクロチップを装着しておくなどの対策をあらかじめ取っておくことも重要です。
また、迷子になってしまった時の対処法を知っておきましょう。