先住犬への慣らし方

すでに家に犬がいる場合に、新しく犬を迎えて良いのかどうか悩むところです。

いきなり会わせてしまってケンカになり、そのあと険悪な関係になってしまった失敗例をときどき聞きます。

このページでは新しい犬を迎え入れるときにストレスなく迎えられるコツについてお話しします。

おとなの犬を新たに迎え入れる場合

新しく入ってくる犬が、他の犬に対してどのくらいコミュニケーション能力があるか、また先住犬がどれぐらいコミュニケーション能力があってお互いの相性がどうなるかで、うまく一緒に暮らせるか、実は同居が難しいかが決まってきます。新しい犬をいきなり家の中に連れて入ると、先住犬にとっては、自分の安心できる家に侵入者が入ってくるのですから驚いてしまいます。

新しい犬を迎え入れるときは、最初のお見合いは、ゆっくり、どちらの犬のテリトリーでもないニュートラルな場所で、おやつを使いながら、「相手の存在は悪くない」と教えていくところからスタートします。絶対に焦らないようにしましょう。

  1. 最初のお見合いはニュートラルな場所( 例えば公園など) で、犬にはどちらもリードを付けて、必ず人が制御した状態で顔合わせをします。
  2. 犬同士にお互い距離をとらせ、お互いが距離を置いている間にどちらの犬にもおやつをあげて、ゆっくりお見合いをスタートさせます。
  3. どちらの犬も、お見合い中におやつを食べ、問題なさそうであれば一緒に家へ帰るようにします。
  4. 家の中でも、人が見ていられない時は必ずケージの中に入れておくなど、それぞれの犬が勝手に出会わないようにします。
  5. 人が見ている時だけ、監視のもと、おやつをお互い食べさせながら、ゆっくり少しずつ会わせる「お見合い練習」をさせます。

これまでの生活や性格、経験したことなどが分からないおとなの犬の場合は、ゆっくり、焦らず、慎重に進めていく必要があります。

うまくいくコツは焦らないことと、無理強いしないこと、常におやつをどちらにも与えながら様子を見ることです。もしおやつを拒絶したら、2頭の距離を開けて少し休み、少しずつ会わせる「お見合い練習」を再開します。

生後4 ヶ月未満の子犬を迎える場合

生後4ヶ月未満の子犬は社会化期の時期にあり、周りの環境やそこで出会う犬や人に対して心を開いていく時期になります。

先住犬が他の犬に対して受け入れることができる性格であれば、子犬を先住犬にゆっくり会わせることで、子犬が先住犬を比較的楽に受け入れるようになることが多いようです。また、先住犬も相手が子犬であれば寛容に受け入れてくれることが多いようです。

人の監視のもと、おやつをお互い食べさせながら、ゆっくり少しずつ会わせることで、お互いがお互いを受け入れることが比較的問題なくできます。

  1. 最初は、子犬が先住犬のところにいきなり近寄っていって驚かさないように、どちらもリードを付けて、動ける範囲を制御します。
  2. 犬同士にお互い距離をとらせ、先住犬は1か所でおやつを与え続けてください。
  3. 子犬を遠くから少しずつ先住犬に近づけます。最初は2メートルくらい離れたところで、先住犬と子犬におやつを与え、様子をみます。
  4. 問題なくどちらもおやつを食べるようであれば、子犬を1メートル50センチくらいとのところまで近づけ、どちらにもおやつを与えます。
  5. 問題なくどちらもおやつを食べるようであれば、子犬を1メートルのところまで近づけ、どちらにもおやつを与えます。
  6. さらに少しずつ2頭の距離を縮めていきます。
  7. 最終的には、子犬が先住犬の身体をにおいをかいだり、先住犬が子犬の匂いをかいだりしていたら、お互いに興味を持っていることに対しておやつを与えましょう。

うまくいくコツはあせらないことと、無理強いしないこと、常におやつをどちらにも与えながら様子を見ることです。もしおやつを拒絶したら、すこし2頭の距離を開けて少し休み、またもう少し大きな距離から再開します。

どうしても相性が合わない場合

出会わせたらどちらかが攻撃的になってしまったり、外で会う分には問題ないのだけれども、家の中に入れたら先住犬が攻撃的になってしまうような場合もあります。どうしても相性が悪い場合は、同居は難しく、ずっとお互いを隔離しなければならない可能性もあります。

次の犬を迎える時は、もしかしたらずっと別居させなければいけない可能性もあることまで考えて計画をたてておく必要があります。ゆっくりでもうまく行けば良いのですが、相性が合わない場合には、他の家で1 頭で飼ってもらったり、気の合う犬とだけしか暮らせないケースもあります。

さいごに

もし新しい犬を迎える理由として、今いる犬に手がかかるので「お友だち」ができれば勝手に遊んでくれるのではないか、あるいは、「妹(弟)」ができれば落ち着いてくれるのではないか、と考えている場合は、やめた方がいいかもしれません。

思った通りにいかなくて逆に問題が大きくなるかもしれませんし、犬同士の相性がいいとは限りません。

また、お嫁さんやお婿さんを迎えて子犬を生ませてみたいからと考えている場合も、慎重に判断してください。犬は1回の出産で6~10頭の子犬を生みますから、計画的な出産をしないとあっという間に数が増え、世話をしきれなくなるかもしれません。

一般的に複数の犬を飼うときはオスメス共に不妊去勢手術をすることをオススメします。

 

執筆者:事務局