外で病気やケガの猫を見つけたとき

外で病気やケガで弱っている猫を見かけたときはどうしたらいいのでしょう。

猫は犬と違い、放し飼いが禁止されていません。そのため、外を自由に歩いている猫には、

  • 外で放し飼いにされている「飼い猫」
  • 飼い主のいないいわゆる「ノラ猫」
  • 地域で管理しているいわゆる「地域猫」

がいることになります。

これらの日常的に外にいる猫以外に、

  • 何らかのアクシデントで外に出てしまった完全室内飼いの猫、
  • 捨て猫

の場合もあります。完全室内飼いの猫の場合は、外で生きていく術を持たないので、外に出てしまうと急速に衰弱することもあります。

公的機関での保護

動物愛護管理法では、公共の場所でケガや病気の猫(負傷動物)を見つけた人に、飼い主がわかっている場合は飼い主に、飼い主がわからない場合は保健所や動物愛護管理センターなどの公的機関に知らせることとしています。

通報された保健所や動物愛護管理センターなどは、負傷動物を保護します。

ただし、保健所や動物愛護管理センターが保護するのは、原則として、交通事故や衰弱で動けなくなっていたり、子猫のような、放置すると命にかかわる猫だけになります。猫は犬と違って放し飼いが禁止されていないので、猫がひとりで歩いていても捕まえることはできません。そのため、動ける程度のケガや病気では、公的機関では保護できないと断られることが多いようです。

猫を保護するときの注意点

ケガや病気で弱っているようにみえても、猫には鋭い爪と牙があります。こちらは保護してあげるつもりでも、猫にとってはただでさえ具合が悪いうえ、見知らぬ人に捕まる恐怖を感じています。

保護するときには、バスタオルなど厚手の大きな布でくるむようにして、爪や牙でケガをしないように注意しましょう。大きなものに包んで視界をさえぎることは、猫を安心させる効果もあります。ノミやダニなどがいることもあるので、気をつけましょう。

動物病院に受診するときは、猫を大きめの洗濯ネットに入れておくと、猫を落ち着かせ、診察やマイクロチップの読み取りなどがしやすくなります。

飼い主がわかる場合は、飼い主に連絡しましょう

首輪をしている場合は、迷子札など身元を示すものがないか確認します。

2022年6月以降は、ペットショップ等で販売される犬と猫には、マイクロチップの装着と指定登録機関への登録が義務になりました。品種が特定できる猫など、ペットショップで購入した可能性が高い猫の場合は、マイクロチップが装着されているかもしれないので、専用の読取機がある、保健所や動物愛護管理センター、動物病院などで読み取ってもらいましょう。マイクロチップが読みとれた場合は、指定登録機関のデータベースに確認したり、民間登録機関に問い合わせます。

耳の先がカットされている猫

耳の先がVの形や、まっすぐカットされている猫は、いわゆる「地域猫」として避妊去勢手術をされて管理されている猫の可能性があります。

その地域で「地域猫活動」がされていないか、インターネットで調べたり、保健所や動物愛護管理センターに問い合わせてみましょう。マイクロチップを入れて管理していることもあるので、マイクロチップがないか読み取ってもらうのもいいでしょう。

飼い主(管理している人)がわからない場合や、いわゆる「ノラ猫」の場合

飼い主(管理している人)がわからない場合や、いわゆる「ノラ猫」の場合は、見つけた人が自分で保護するか、通報された保健所や動物愛護管理センターが負傷動物として保護することになります。

猫を保護したら

1 保健所や動物愛護管理センター、警察署に連絡

猫を保護した場合は必ず保健所や動物愛護管理センターに保護したことを伝えましょう。一見「ノラ猫」に見える場合でも、探している飼い主がいるかもしれません。また、「捨てられたんだ」と自己判断して、勝手に飼うことはしないようにしましょう。飼い主がいる猫の場合は、拾った人が勝手に飼うとトラブルになることがあります。首輪や迷子札などがついている場合は明らかに飼い主がいるので、必ず保健所や動物愛護管理センター、警察署に問い合わせるようにしましょう。

2 インターネットやSNS

インターネットには迷子動物を探す掲示板がいくつかあります。SNSで迷子情報を出している飼い主もいますので、確認してみましょう。インターネットを利用する場合は、個人情報に注意してください。

3 一度保護した猫は放さない

保護した後に保護し続けることができなくなっても、猫を外に放したり、拾った場所に置いてくることはしないでください。猫を危険にさらすだけでなく、動物愛護管理法の罰則の対象である「遺棄」になることもあります。保護し続けることが困難になった場合は、動物保護団体、住んでいる地域の保健所や動物愛護管理センターなどに相談しましょう。

明らかに捨てられた猫をみつけたとき

飼っている猫を捨てる(遺棄する)ことは、動物愛護管理法の罰則の対象となります。

(愛護動物の遺棄は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)

「誰か拾って」と書かれているなど、明らかに捨てたとみられる場合は動物愛護管理法違反となりますので、保健所や動物愛護管理センター、警察署に通報しましょう。

執筆者:事務局