猫が迷子になったら

飼っている猫が迷子になってしまったら、室内だけで飼っているのか、外に出入り自由で飼っているのか、避妊去勢手術済みか否かで、対策が異なります。

いずれにしても、すぐに行動を起こすことが大切です。

避妊去勢済みの完全室内飼いの猫の場合

家の中で見当たらず、外に出たのかもと思っても、実は家の中にいることがほとんどです。万が一外に出たとしても、短時間に家から離れることは稀で、ほとんどは家の周りで見つかります。

①まずはドアや窓など、外に出る可能性のある隙間がないか確認しましょう。

窓の閉め忘れ、ドアや壁の隙間など、外に出る可能性のある場所がみつかったら、外に出たことも考えられます。

チェックポイント

  • 窓の閉め忘れ、ドアの閉め忘れ
  • 人の出入りのときに気づかずに一緒に出た

外に出られる可能性のある場所がみつからなければ、猫は家の中にいる可能性が高いと考えられます。

②家の中をよく探しましょう。

よくインターネットで「猫は液体」などと題された写真が投稿されるように、猫の体はとても柔らかく、驚くほど狭い隙間でも入ることができます。家の中の、狭い隙間をよく探してみてください。

クローゼットや押入れの隅、引き出しの中、家具の裏側や隙間、天袋、床下収納、洗濯機や脱衣かごの中など、普段なら「こんなところにはいないだろう」と思うような場所でも、ありとあらゆる狭い場所を探してください。

完全室内飼いの猫が家の中で見当たらなくなった場合は、なにか「怖いこと」が起きて、いつもと違うところに隠れている場合が多く、多くの場合は家の中にいます。また、洗濯機や引き出しの中に隠れていることに気づかずに、人が扉を閉じてしまい、閉じ込めてしまうこともあります。

チェックポイント

  • クローゼットや押入れの隅、布団や衣類の間
  • タンスの中、机の引き出しの中や裏
  • 家具の裏側、隙間、上、テレビの裏
  • 天袋
  • 床下収納
  • 洗濯機の中、脱衣かご

こんなところにはいないだろう、と思うところもチェック。

③家の周りの隙間や狭い場所をよく探しましょう。

もし、家から出ていたとしても、完全室内飼いの猫は、すぐには家から遠く離れることはありません。ほとんどの場合、家の周囲の狭い隙間に隠れます。数日から1週間近く、どこにも動かず隠れたままのことも少なくありません。

エアコンの室外機の下や裏、屋根と壁の隙間、ベランダの下、戸袋、物置の下や裏など、家の周りの狭い場所をよく探してください。

完全室内飼いの猫の場合、家の外は知らない場所なので、あまり遠くには移動しないことが多いのです。

チェックポイント

  • エアコンの室外機の下、裏
  • ベランダと屋根の隙間
  • 雨戸の戸袋
  • 物置の下、裏、中
  • 縁の下
  • 家と塀の間

④関係機関に連絡しましょう。

・保健所又は動物愛護管理センター

保健所や動物愛護管理センターは、外をひとりで歩いている猫を捕まえることはしませんが、ケガや病気で倒れている猫を保護収容することがあります。猫が保護されていないか、電話で問い合わせましょう。

地域により、担当部署が保健所か動物愛護管理センターかは異なります。わからない場合は、役所の代表電話にかけて、担当部署を紹介してもらうといいでしょう。

その後の問い合わせの方法もよく聞いておきましょう。地域によっては、保護収容した犬猫の情報をインターネットで閲覧できるようになっています。

猫にマイクロチップや迷子札が装着されていれば、ケガや病気で保健所や動物愛護管理センターに保護されたときに、飼い主に連絡が来ることがあります。しかし、首輪は外れてしまうこともありますし、マイクロチップが読み取れないこともあります。連絡を待つのではなく、必ず飼い主から問い合わせましょう。

・警察署

迷子の猫を保護した方が、「落とし物(遺失物)」として警察に届けることがあります。警察署で預かったり、保護した方に一時預かりをお願いすることもあるので、警察署にも必ず問い合わせましょう。警察署内の管轄は、「会計課」になることが多いようです。

警察署に問い合わせた際も、その後の問い合わせの方法をよく聞いておきましょう。

 

⑤家の周りにポスターや張り紙をしてみましょう。

猫を見かけた人が保護してくれることがあります。

自宅周辺、地域の掲示板、近くのスーパーマーケットなどの人が集まる場所や動物病院などに、貼り紙やポスターを貼らせてもらいましょう。アナログな方法ですが、インターネットを利用しない高齢者や子どもの目に最も届きやすい方法です。勝手に貼らず、必ず許可をとるようにします。

見つかった後は、貼らせてもらったお礼と、張り紙・ポスターを回収することを忘れずに。

⑥SNSやインターネットの活用

猫を探していることをSNSで発信すると、見かけた人や保護した人から連絡が来るかもしれません。SNSは多人数の目に触れるため、広範囲から情報が集まりやすい利点がありますが、避妊去勢済みの猫は広範囲を移動することはあまりないので、どんな情報が集まるかは未知数です。SNSはどこに拡散していくか分からないので、個人情報などに注意が必要です。

多くの方を巻き込む分、捜索の状況経過や結果、協力へのお礼などもきちんと発信しましょう。

インターネットのペットサイトの、迷子猫捜索の掲示板に掲載してもらうのもいいでしょう。保護している猫の情報をまとめた掲示板もあるので、それもよく見るようにします。

 

⑦ペット探偵

迷子猫捜索のプロのテクニックを持つのがペット探偵です。料金がかかりますので、よく説明をきき、納得した上で利用しましょう。

避妊去勢をしていない猫の場合

避妊去勢手術をしていない猫の場合、恋の相手を探すために自分から出てしまった可能性があります。相手を求めて遠くに行ってしまったり、恋の相手の近くに何日も滞在したり、ライバルに出会ってケンカになり恐怖のために動けなくなるなど、様々な事態が起こります。

室内飼いの猫の場合は、外での危険回避の方法や、他の猫との付き合い方法などを知らないので、交通事故やケンカでケガを負い、帰ってこられなくなることも少なくありません。

上記の①②③で家の中や家の周りを探すことと併せて、遠くに行っている可能性も考えて、④⑤⑥⑦の広い範囲での捜索が必要になります。

避妊去勢していない場合はかなり広範囲の移動がありえますので、お住いの地域だけでなく、隣接した地域の役所にも連絡しましょう。

避妊手術をしていないメスの場合は、帰ってきたらまず妊娠していると思って間違いありません。

外飼いの猫の場合

外飼いの猫では、いなくなったのが、猫が自分の意思で出て行ったのか、事故に遭って帰ってこられなくなったのか、誰かに連れ去られたりいじめられて戻ってこないのか、一切わかりません。

猫を外で自由にして飼うことはリスクが多く、猫の安全を守れない飼い方であるといえるでしょう。

探し方は、上記の④⑤⑥⑦になります。万一、路上で亡くなっていた場合は、役所の清掃部署が担当しますので、そのようなケースがなかったか問い合わせましょう。

 

執筆者:事務局