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子犬をご家屋に迎えられた方々の大きな悩みの一つが「あまがみ」です。
子犬と一緒に遊んでいると、手をかんできたり、飛びついて洋服をかんできたり、足元をかんできたりします。
子犬のうちはちょっと痛いだけかもしれませんが、大人(成犬)になってもかむことになったらどうしようと悩まれる方が多くいらっしゃいます。
子犬のあまがみは関心を引く行動
子犬は、家族の関心を引くため、遊んでいて興奮したために、人の手などをかんでしまいます。
子犬のこの行動は、人の幼い子どもの行動と一緒です。何か興味があったり、何か気持ちを伝えたいと、人は手を使って意思表示をしようとしますし、犬は手の代わりに口を使ってなんでもくわえたり、かんだりしようとします。
ここで大事なのは、あまがみ行動は決して人に挑戦しているとか、家族の上に立とうとしている行動ではなく、また、わがままを言っているわけでもありません。単に興味や関心があったり、関心を引こうとして、「ママ―、パパー」と言っているような行動と考えていただけたらと思います。
あまがみをなくす方法
この行動に対しては、かんで気持ちを伝えようとしても人にはその方法は通じない、と教えることになります。具体的にあまがみをなくす方法は以下になります。
- かんできたら、手を引っ込めたり、目をそらして背中を向けたり、声掛けをやめて無視します。かまれたときに痛ければ「いたい!」と言ってもよいでしょう。
- もっとかんだりするようなら、立ち上がって声掛けもせずに部屋を出ます。数十秒数えて部屋に戻ります。
- かむのをやめたら、子犬の遊んでいいおもちゃを手に取り、そのおもちゃで遊びます。
- また手をかんでしまったら、おもちゃを落とし、目をそらし、背を向けて無視します。
1.から4.を繰り返して「かんだらすべての遊びは終了」「でも犬のおもちゃを使って一緒に遊んでたら楽しいね」というルールを教えます。
「無視」のみの教育は効果がありません。かんだら無視されて寂しかったけれど、人と遊びたい場合はどうしたらいいの? と子犬が混乱します。
何をしたら人の関心を求めるうえで意味がないかを教えた後は、必ず、何をすべきか、何をしたら人は関心を向けるのかを教えてあげてください。
子犬は叱らない
かんだらマズルをつかむ、鼻をたたく、鼻をつつく、こぶしを口に入れる、頭をはたく、など体罰に近い方法を用いることをアドバイスされる方が多くいらっしゃるようです。子犬は、このような体罰をされたことにより、人の手が鼻先に近づくことに対して恐怖を覚えるようになります。そうなってしまうと、子犬との信頼関係を結ぶのに苦労します。絶対に痛みを与えるような方法で行動を止めないようにしましょう。
子犬のしつけに関して、「厳しくしかる」必要はありません。飼い主が「犬の上に立つ」必要もありません。子犬には誤食やいたずらをさせないような環境を作り、人が何をしてほしいか教えていきます。
子犬は叱ったり、体罰を与えると、人に対して恐怖感を持つようになったり、人の手に対して恐怖感を持つようになってしまいます。子犬は絶対に叱らないでください。そしていたずらができないように子犬の行動を管理し、子犬にとっての正しい安全な遊びを教えるようにしましょう。