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昔は犬は庭で飼うのが普通の光景でしたが、今は室内で飼う方も多くなってきています。
室内飼いは、人と犬がコミュニケーションをとりやすく、犬の病気や異常を早期に発見できたり、暑さ寒さなどの機構の変化や感染症や寄生虫のリスクから犬を守れるなどのメリットが多く、犬を健康に長生きさせることができます。
一方で、人と犬が同じ空間で生活するため、排泄や吠え声のしつけや、室内に犬に危険なものがないようにする環境整備がとても重要になってきます。
人も犬も快適に楽しく一緒に暮らしやすい環境を整えましょう。
室内飼いのメリット
①コミュニケーションがとれる
犬を飼う楽しみはいろいろありますが、一番の楽しみは犬とのコミュニケーションではないでしょうか。
犬は群れで生きる動物です。家族という群れを必要とし、ひとりぼっちでは不安定になります。
室内飼いだと飼い主家族の中で一緒に暮らすので、コミュニケーションがより密になり、家族との信頼関係を築きやすくなります。
犬と暮らすには、どんな飼い方でも「しつけ」が必要不可欠です。しつけは、暮らしのルールを教えることですが、室内飼いだと一緒にうまく暮らしていくために、しつけがとても重要になります。
しつけの方法は、しつけのコツ 困った行動のとき をご覧ください。
②犬の安全を確保できる
外飼いだと、季節による暑さ寒さや急な天候の変化にそのままさらされます。気温の変化は体への負担も大きく、熱中症のリスクもあります。
ダニやノミなどの寄生虫や、蚊や蜂などの自然のリスクにもさらされます。
首輪が外れたり、囲いの隙間から外に出て、迷子になったり、交通事故にあうリスクもあります。
他人から勝手に食べ物を与えられたら、善意だとしても犬の健康に影響がありますし、悪意のある方に何かされてしまうリスクもあります。
室内飼いでは上記の様々なリスクを、相当程度減らすことができます。
③病気の早期発見、予防がしやすい
室内飼いだと毎日のコミュニケーションが密になるので、犬の不調や病気に早めに気づくことができます。
ダニやノミなどの寄生虫の予防も行わないと人にも影響が出るので、しっかり行うようにもなるでしょう。
室内飼いは、病気の予防と早期発見がしやすくなり、犬を健康に長生きさせることにつながります。
室内飼いでの注意点
①抜け毛対策が必要
人と違い、犬は全身に毛が生えています。抜け毛の量は犬種にもよりますが、毎日毛が抜けるので、基本的に毎日の室内の掃除と日常の定期的なブラッシングが必要です。
特に、冬毛と夏毛が生え変わる犬種では、冬毛が夏毛に生え変わる初夏には大量の毛が抜けるので、その時期はブラッシングが大変ですし、夏毛が冬毛に生え変わる秋にも相当の抜け毛が出ます。
ブラッシングは被毛の状態をよくするだけでなく、皮膚を刺激することで血行もよくなり、全身を触ることで異常の早期発見にもつながります。
抜け毛を放置して、室内や犬の体を不衛生な状態にしておくと、においがでたり、害虫が発生したり、ダニなどが増えて犬も飼い主家族もアレルギーを発症することもあります。
においには慣れてしまうので、飼い主本人は平気でも、来客や近隣住民が不快に感じることもあります。
毎日の掃除と定期的なブラッシングで問題発生を防ぎましょう。
②室内で暮らすためのしつけが必要
・かじるなどのいたずら
室内で飼い始めたものの、家具をかじったり壁紙を破いたりする「いたずら」がひどいので、庭で飼うことにしたり、最悪は飼いきれなくなり手放すというケースを聞くことがあります。
犬にとっては、犬として当然の行動をしているだけで、飼い主を困らせるために嫌がらせをしているのでも、悪いことをしている意識もありません。
人と一緒に暮らすにはルールがあることを、飼い主が犬に教えてあげなくてはなりません。
ルールを教えるのがしつけです。
また、しつけも大切ですが、その前に、かじられて困るものは片づけたり物理的にガードしておくなどの、「いたずら」ができないような環境整備をしておきましょう。
吠える、かじるなど問題が発生する前に適切な環境整備としつけをして予防しましょう。
問題が起きたら早めに適切な方法で対処するようにしましょう。
・吠え声などの騒音
犬の吠え声や騒音は近所迷惑になり、トラブルに発展しやすい問題です。
よく「無駄吠え」といいますが、犬にとっては無駄に吠えているのではなく、必ず吠える理由や原因があります。
理由や原因を理解して、正しく対処しましょう。
集合住宅では、特に、騒音に対する配慮が必要です。吠えやすい犬種や吠え声が大きい犬種は避け、そのような犬種を飼う時には特にしつけに気を配りましょう。
③誤飲誤食に注意
家の中にはいろいろなものがあります。
何気ない身近な日用品でも、犬が食べてしまうと危険なもの、命にかかわるものもあります。
犬の口が届くところには、かじられると困るものや危ないものは置かないのが基本です。
特に薬類は、飼い主が飲んでいるのを見て、犬が食べ物やおいしいものだと思い、食べてしまうことがあります。犬の体の大きさで、人の薬を大量に食べると命の危険があります。
- 薬はテーブルの上などに放置せず、必ず犬の口の届かないところにしまいましょう。
- 本や雑誌は犬の口が届かない高さの本棚やラックにしまいましょう。
- ゴミ箱はいたずらできないように蓋つきのものにしましょう。
- テレビのリモコンや小物など、犬がおもちゃにしそうなもの、犬が興味を示すものは、犬の届かないところにしまうようにしましょう。
- ペットシーツや壁紙などをかじるときは、かじってよいおもちゃを与えてそちらをかじるようにしつけましょう。
- 子犬や、まだ室内飼育のしつけができていない犬の場合は、人が目を離すときはサークルに入れたり、Webカメラで監視するなどの対策をとりましょう。
詳しくは、犬の室内飼いの環境整備としつけ を読んでください。
④室内飼いの小型犬も毎日の散歩は必要不可欠
室内飼いの小型犬は外に出る散歩は必要ないと聞くことがありますが、そんなことはありません。
犬の散歩には、運動という面だけでなく、外の世界と接して社会性を身に着けるという重要な役割があります。社会的な動物である犬には、外の世界に触れることが必要不可欠です。
基本的に、少なくとも1日2回、1回30分の散歩は必要です。犬の大きさや犬種、健康状態に合わせて、時間や回数を調節するようにしてください。