おとなの犬を迎える

犬を飼いたいと思ったときに、子犬から飼うのではなく、おとなの犬を迎えるという選択肢があります。子犬から飼わないとなつかないということはなく、犬は何歳からでも家族になることができます。

ただ、子犬は新しい人やもの、環境を比較的受け入れやすく慣れやすいですが、大人になった犬はゆっくりと慣らしていく必要があります。

おとなの犬との付き合いは、人の大人同士の付き合いに似ているかもしれません。大人の人同士が初対面でいきなり家族のように打ち解けることは極めて稀であるように、おとなの犬との場合も同じです。言葉を持たない犬には、あなたを愛して一緒に暮らしたいと思っているんだよ、ここがあなたのお家だよ、ということを伝えお互いを理解していくためにはある程度の時間が必要です。

成犬から飼うメリットは?

おとなの犬を飼うメリットは、子犬と違い、その犬の性格や大きさ、活動量や運動要求量、トリミングやシャンプーなどや必要な世話がある程度分かることです。もちろん、生き物ですから、一緒に暮らし始めてから見えてくる性格などはありますが、基本的な性格は分かります。また、すでに避妊去勢手術を済ませていたり、基本的なしつけができていることもあります。犬と落ち着いた生活をしたい人なら落ち着いた犬を選べるので、子犬の活発さに振り回されることもありません。

  • 性格や大きさ、活動量や運動要求量がわかる
  • トリミングやシャンプーなど必要な世話がある程度わかる
  • 子犬の活発さに振り回されない
  • 基本的なしつけや避妊去勢手術済みである場合がある

成犬から飼うデメリットは?

子犬から育てたい、子犬のときから自分でしつけをしたい、という人には向きません。また、一般的な犬の寿命を考えると、一緒に暮らせる時間は子犬から飼うよりも短くなります。

高齢犬の場合は医療費がかかるかもしれません。また、年齢にかかわらず、保護された犬はこれまでのことがわからないので、隠れた病気がみつかることもあります。

犬のこれまでの飼われ方や経験によっては、適切なしつけがされていなかったり、一緒に暮らすには困った行動があり、それを直していく必要があることもあります。人によるつらい経験がある場合は、人間不信になってしまったり、特定の人相の人を怖がるようになってしまった犬もいます。初めて犬を飼う人(犬飼育の初心者)には扱いが難しい犬もいます。

  • 子犬から育てたい人には向かない
  • 一緒に暮らせる時間は子犬から飼うよりは短くなることが多い
  • 医療費がかかったり、隠れた病気が後からみつかることがある
  • しつけがされていなかったり、困った行動があることがある
  • これまでの経験によっては、特定の人を怖がったり、人間不信になっていることがある

自分の犬を飼うスキルと犬との相性で選ぶことが大切

自分が望んでいる犬との生活と合うのはどの犬なのか、保護団体から譲り受ける場合は、団体の方にアドバイスいただくのもいいでしょう。

かわいそう、自分が引きとらないと行き場がなくなるのではないか・・・と一時の感情に左右されるのされるのではなく、自分の性格やライフスタイル、体力、経済的状況、犬と暮らすスキルを考え、一緒に暮らしてお互い幸せになれるかを考えることが重要です。

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成犬から飼うときに気を付けたいこと

おとなの犬だと、それまでの生活習慣がある程度固まっていて、新たな生活習慣にはなかなか馴染まないことがあります。(人の大人でも同じかもしれません。)

家に来た当初は「借りてきた猫」のようにおとなしくても、ここが安全な自分のお家とわかってくると、だんだん本来の性格を出してくることもあります。

前の飼い主の飼い方によっては、人に対して不信感や恐怖心を持っていることもあります。

おとなの犬には、それぞれにそれまでの「犬生」があります。その個性を受け入れて、新たな関係を築いていくようにしましょう。

保護団体から譲り受ける場合は、その犬の特徴や苦手なものなどを聞いておくといいでしょう。

どこから迎える?

犬の譲渡活動をしている民間団体があります。インターネットなどで調べてみましょう。飼えなくなった人と、新たに飼いたい人とをマッチングする譲渡サイトもあります。

公的機関の動物愛護管理センターで譲渡をしているところがあります。住んでいる地域の役所のホームページなどで調べてみましょう。

犬を迎えるかどうかは、必ずその犬を実際に見て、世話をしている方に犬の性格や特徴を聞き、同居しているご家族とよく話し合って決めてください。ご家族みんなの同意なしに迎えてしまい、トラブルになる例はよくあります。

じっくり考慮しても、実際に飼ってみたら思っていたことと違っているかもしません。最終的な決断をする前に、一定期間その犬との生活を試してみる「トライアル(お試し期間)」制度を設けている譲渡団体を選ぶとよいでしょう。

執筆者:事務局