散歩のときの注意点

新しい家に来たばかりの犬の気持ちを想像してみましょう。

見知らぬ環境に連れて来られたばかり、しかも、一緒に暮らしている人はまだ会って日の浅い人たちで、どんな人なのかよくわかりません。散歩で外に出ても見知らぬ土地です。

前いた場所に帰りたい、前に世話をしてくれた人に会いたい、と思っても無理はありません。

インターネットの迷子犬を探すサイトには、迎えたばかりの保護犬が散歩のときなどちょっとしたきっかけで放れて走り去ってしまったという書き込みがしばしば見られます。

土地勘のない場所で犬が迷子になった場合、自力で戻ってくることはまずありません。交通事故に遭うことも考えられます。散歩に出るときは、迷子にさせないように注意が必要です。

散歩は2本リードにする

一番迷子になりやすいのは散歩のときです。散歩に連れ出すときは、以下のことに気をつけましょう。

  • 犬には必ずリードを付ける。
  • できれば首輪と胴輪を付け、どちらにもリードを付けて2本のリードにする「ダブルリード」にする。
  • 臆病な犬、力が強い犬の場合は、2本目のリードをカラビナなどを使って人のベルトに結び付けておくなどの対策を取っておくとさらに安心。(引っ張られて転ばないように注意してください。)
  • 慣れてきたと思っても、犬を絶対放さない。

リードは1~1.2m程の通常のものがいいでしょう。長いリードや伸縮リード(フレキシブルリード)は、とっさに犬を制御しなくてはならない事態になったときに使いにくく事故の元になります。犬と人がお互いの動きになれるまでは、通常の長さのリードを使用しましょう。

散歩はコミュニケーションの機会

保護犬はこれまでの経験からどんなことを学習しているかわかりません。散歩で出会う、犬や人、猫などの他の動物、自転車、車、子供、走る人など、様々なものにどう反応するかわからないという前提で、いつでも犬の動きに反応できるように気をつけながら散歩することが必要です。

最初は、交通量が多い道や大きな音などの刺激が多い道は避け、静かな環境の場所を選んで歩くようにしましょう。

犬の性格や運動要求量にもよりますが、最初から長い時間や距離を無理をして歩くことはありません。散歩は運動というよりは、犬とのコミュニケーションの時間ととらえ、外でいろいろなものに出会うことで犬が好むもの、苦手なものを探り、一緒に歩くことでお互いを知る時間ととらえましょう。

散歩の途中の公園で一休みして、大好きなおやつをあげたりするのも、よいコミュニケーションになります。

 

散歩を嫌がる場合は無理には連れ出さない

これまでの経験によっては、犬が外を怖がって散歩に行きたがらないこともあるかもしれません。その場合は、無理に散歩に連れ出すようなことはしないでください。室内で犬との絆を育んで、犬が人を信頼するようになってから、少しずつ、外に慣らしていくようにしましょう。

 

執筆者:事務局