猫の品種⑧アメリカンカール

 

アメリカンカールは、外側に反った耳、クルミ型の目を持つ猫です。性格は快活で遊び好き。おとなになっても子猫のように甘えん坊で「猫のピーターパン」と愛称が付けられています。そんなアメリカンカールと暮らす前に知って欲しいポイントを解説します。

品種の由来

1981年6月、アメリカのカリフォルニア州レイクウッドで黒い長毛の耳全体がくるりと後ろに反り返っていた子猫が見つかりました。その猫はシュラミスと名づけられ、半年後出産した子猫の耳もカールしていたため、その猫たちをもとにブリーディングがスタート。1983年にキャットショーに登場し、1987年には品種として公認されました。

アメリカンカールの特徴

  • 耳は後ろにカールしている(ただし生まれたばかりの子猫は耳が真っ直ぐである)
  • 目はクルミ型をしている
  • 体型は適度に筋肉質でミディアムサイズである。
  • 毛は短かく、ソフトでシルキーな触り心地である。毛は平らに寝ており弾力がある
  • 毛の色も目の色もすべてが認められている

アメリカンカールの長毛版はアメリカンカールロングヘアーです。

明るく愛嬌のある性格で、社交的で人見知りせず、見知らぬ人や猫にも警戒心なく近寄っていくことも多い品種です。

アメリカンカールに多い病気

外耳炎

アメリカンカールの耳は、単純に先が後ろに反っているだけではなく、耳の軟骨が正常に形成されていない状態です。他の猫に比べて耳道(耳の穴)が狭くて硬くなっており、耳垢が溜まりやすいです。そのため外耳炎になりやすく、外耳炎になると分泌物が溜まり耳道が腫れるため、さらに耳が汚れてしまうという悪循環におちいります。そうならないためにも、耳が汚れている場合には早めに動物病院を受診してください。

外耳炎

日常生活で気をつけること

上記のように、アメリカンカールは耳がとても汚れやすい品種です。汚れを放置すると外耳炎に進行するため、定期的なケアが欠かせません。とは言え、慣れないうちに綿棒などで耳を掃除すると、かえって耳垢を奥に押し込んだり、鼓膜を傷つけてしまうこともあるため注意が必要です。また外側にカールしている耳の軟骨は硬いので、無理な方向に曲げないようにしてください。場合によっては耳を傷つけてしまいます。自宅で耳のケアをすることは難しい場合には動物病院やトリミングサロンなどで相談をしてみるとよいでしょう。また耳が内側に折れているスコティッシュフォールドも、同じように耳が汚れやすい品種と言えます。

 

執筆者:服部幸

獣医師
経歴:
北里大学獣医学部卒業
2年半の動物病院勤務
2005年よりSyuSyu CAT Clinic 院長を務める
2006年にアメリカのテキサス州にある猫専門病院 Alamo Feline Health
Centerにて研修プログラム修了
2012年東京猫医療センターを開院する
2014年 JSFM(ねこ医学会)理事
15年間、猫の専門医療に携わる