介護マットの選び方・使い方

横になっていることが多くなってきた高齢犬にとって、適した介護マットを選ぶのはとても重要です。

ここでは、介護マットの選び方と、寝ている姿勢について説明します。

・ポイントは「体圧分散性」「通気性」「ケアのしやすさ・洗いやすさ」です。

介護マットの選び方

介護マットを選ぶポイントは、大きく3つ「体圧分散性」「通気性」「ケアのしやすさ・洗いやすさ」になります。

体圧分散性

寝た状態で犬の体重がどこに多くかかっているか、その体重を上手に分散できているかが重要です。寝たきりで一番注意しなくてはならないのは床ずれですので、床ずれを起こさせない為に、体重を上手に分散させます。マットを選ぶ時の一番重要なポイントです。

床ずれとは

床ずれは「褥瘡(じょくそう)」ともいいます。寝たきりの生活が長く続くと、体重がかかっている部分が持続的に圧迫され、その部分の血流が悪くなったり滞ったりします。そのため、皮膚が赤くなったり、ただれたり、傷ができたり、さらには中の組織まで傷ついてしまうことがあります。

ふつうは寝ているときは無意識のうちに寝返りを打って同じ位置に長い時間体重がかからないようにする(体位交換)のですが、自分で体を動かすことが難しくなると、同じ部位が長い時間圧迫されて血液が行き渡らなくなってしまいます。

床ずれのできやすいところは、骨が出っ張っていて、寝ているときに床面に接している「頬、肩、肘、腰、前足首、後足首」などです。皮膚が赤くなったり、ふやけた感じや水ぶくれができてきたら要注意です。なるべく初期段階で気づいてあげて、動物病院を受診しましょう。赤くなっている部位のマッサージや水ぶくれを破ることはしてはいけません。

床ずれの予防には、清潔を保つこと、体圧分散マットやパッドなど使用して床ずれのできやすい部位を保護すること、体位交換(寝返り)をさせることがあります。

通気性

通気性が悪いと、体とマットの間が蒸れてしまい、快適な環境が作れなくなります。高齢の犬はほとんどの時間をマットの上で過ごすので、快適性をあげ、ぐっすり眠れるように通気性の良いものにします。

マットのケアのしやすさ・洗いやすさ

1日のほとんどをマットの上で過ごし、食事や排泄もマットの上ですることになるので、食べこぼしや排泄物などでマットが汚れることが多くなります。毎日洗わなくてはならないこともあるので、洗いやすさ、乾きやすさは重要です。洗いにくい素材、乾きにくい素材を使っているマットは、清潔な状態を保つのが難しくなり、快適性を落とす要因となります。

寝ている姿勢についての注意点 ~姿勢を変える~

基本は横向きで寝かせる

横向きでリラックスできる体勢で犬を寝かせるのが基本です。横向きのほうが、より多くの面積をマットで受け、体圧を分散させることができます。

頭を起こす姿勢

基本は横向きですが、ずっと同じ姿勢は良くないので、違う姿勢を取ることも大切です。例えば、食事の時は、頭を起こして胃が口より下になる伏せの姿勢にします。伏せができるように、日頃から飼い主が補助しながら練習しておく事も大切です。

介護クッションを利用

介護グッズとして、伏せをした状態をキープしたり、食事のときに正しい姿勢をキープできるクッションがあります。気分転換や、食事のときに伏せの姿勢を取らせたり、食事の姿勢を安定させたい場合、このようなクッションを利用することも、上手に介護する工夫となります。

介護マットについてはこちらもご覧ください。